SWANStorを導入当初はスムーズにアクセスできていたアプリケーションが、次第にアクセスしづらい、あるいはできなくなるといった問題が発生した場合についてです。
原因の一つとして、TCPのリソースの不足が考えられます。
SWANStorを経由してアクセスするアプリケーションの通信手段はTCPを使いますが、TCPには接続、切断の手順が決められていて、その手順に添って必要なリソースがOS内に確保されます。ただし、「切断」の手順については、アプリケーションとのアクセスが終了してすぐにリソースが解放されるわけではありません。例えば、コンソール画面から
netstat -an
というコマンド(注1)を実行してみると、statusがTIME_WAITやCLOSE_WAITのものが多数存在する場合があります。TCPのリソースはこうした状態を経て、一定時間後に解放されます。しかし、通信しづらいという状態の際にこれらで表示される項目が多量に出る場合には、解放までの時間を短縮することで問題が解決される場合があります。
例1:Linuxの場合
次のようなパラメータをsysctlに設定します。
net.ipv4.tcp_keepalive_time = 10
net.ipv4.tcp_keepalive_probes = 2
net.ipv4.tcp_keepalive_intvl = 3
例2:Windowsの場合
レジストリキー:
"HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\Tcpip\Parameters\MaxUserPort"
値:Type: DWORDでValue: 65500
レジストリキー:
"HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\Tcpip\Parameters\TcpTimedWaitDelay"
値: Type: DWORDでValue: 30
具体的な設定方法については以下のサイトを参考にしてください。
https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/aa995661(v=exchg.80).aspx
また、Windows 2008/2008R2では次のような報告も出ていますので、こちらも参考にしてください。