SWANStor経由で安全にリモートデスクトップができるのですが、テザリングや公共WiFiで使用するとパフォーマンスが出ないことがあります。
このような場合に、パフォーマンスを改善するための設定をいくつか紹介します。
一般的には「リモートデスクトップ接続」のアプリを起動し、オプションでオプションで「画面」や「エクスペリエンス」の設定を変更しますが、それ以外にもグループポリシーで行うことができる設定が存在しています。
グループポリシーの変更方法は別途検索してみてください。(Windows 10 Homeの場合はグループポリシーの設定ツールが入っていませんが、別途インストールすることができるようです)
変更後はPCの再起動をして、設定を反映させてください。
また、リモートデスクトップの場合、サーバ(リモートデスクトップ先)とクライアントの2台のPCで同じグループポリシーの項目を別々の値に設定するとクライアント側が優先されるようです。ただ、ActiveDirectory環境などでローカルグループポリシーを変更した場合など、クライアント側の設定が必ず優先されるということはありませんので、できる限り両方のPCを同じ設定にしてください。
接続するまでに時間がかかる場合
接続には非常に時間がかかるものの、一旦つながってしまうと普通に使えるという場合は以下のグループポリシーを変更します。
コンピューターの構成→管理用テンプレート→Windowsコンポーネント→リモートデスクトップ サービス→リモートデスクトップ セッション ホスト→セキュリティ の「リモート(RDP)接続に特定のセキュリティレイヤーの使用を必要とする」
標準では「未構成」になっているはずです。これを「有効」にし、セキュリティレイヤーを「RDP」にしてください。
説明文にはSSLを推奨とありますが、SWANStor経由の場合はSWANBrowserがSSL暗号化を行なっていますので、RDPの設定でも問題ありません。
接続後、操作の反応が悪い、描画が遅いという場合
回線の速度が遅い場合はこちらになります。
こちらには多くの設定項目があります。環境(通信速度、PCの性能)により最適な設定が異なる項目もありますので、設定を変えて実験ということが必要になるかもしれません。
コンピューターの構成→管理用テンプレート→Windowsコンポーネント→リモートデスクトップ サービス→リモートデスクトップ セッション ホスト→接続 にある設定
・サーバーのネットワーク検出を選択する
「有効」「接続時検出と継続的ネットワーク検出を無効にする」に設定
リモートデスクトップでは回線の速度を検出して、それに適応させる機能があるのですが、回線の速度が変化しやすいテザリングでは適応がうまくいかず、反応が異常に悪くなってしまう現象が見られます。(スタートメニューを開こうとした時、クリックしてからメニューが表示されるまで数秒間かかるようなことになります)
このため、この検出機能をOFFにし、常に遅い回線という前提で動作させるとある程度の速度で安定することがあります。
・RDPトランスポートプロトコルの選択
「有効」「TCPのみを使用」に設定
SWANStorではUDPが通らないため、TCPのみに設定しておくと余計なチェックをしなくなるはずです。
SWANStor以外の環境では使用できるならばUDPを使うことでパフォーマンスが改善される可能性があります。
コンピューターの構成→管理用テンプレート→Windowsコンポーネント→リモートデスクトップ サービス→リモートデスクトップ セッション ホスト→リモートセッション環境 にある設定
・色の解像度を制限する
「有効」「15ビット」に設定
リモートデスクトップ接続のアプリケーションで接続時に指定できるものですが、ここで設定すると常にその設定になります。通信量が減るために、遅い回線では効果が大きい設定です。
・リモートデスクトップ壁紙を強制的に削除する
「有効」に設定
こちらも通信量を減らす効果があります。
・すべてのリモートデスクトップ サービス セッションにハードウェア グラフィックス アダプターを使用します
「有効」に設定
リモートデスクトップ先PCでGPUを使うかどうかの設定です。
こちらは環境によりますので、必ずしも「有効」が良いとは限りません。
このため、有効・無効の両方で動作を確認することをお勧めします。
通信量の変化は小さいため、効果が感じられない場合もあります。
・リモートデスクトップ接続でH.264/AVC 444グラフィックモードを優先する
「有効」に設定
転送する画像のフォーマット指定です。「有効」の方が通信量が減る傾向にありますが、どんな状況でも減るとは限らないこと、圧縮・解凍負荷が高いことからこちらも両方の設定を確認することをお勧めします。
・リモートデスクトップ接続用にH.264/AVCハードウェアエンコードを構成する
「有効」に設定
上のグラフィックモード設定を「有効」にしている場合はこちらも「有効」にしたほうが良いかと思われます。
ただ、環境によってはハードウェア支援機能が無く、効果がないこともあります。
・RemoteFXデータの圧縮を構成する
「有効」「ネットワーク帯域を節約するように最適化」に設定
圧縮率とメモリ使用量のバランスを変更する項目です。回線速度が遅い場合は、圧縮率を優先して通信量を減らす方がパフォーマンスの向上が期待できます。
メモリが少ないPCの場合は「メモリの使用量を節約するように最適化」の方がパフォーマンスが出る可能性もありますが、最近のPCであれば十分なメモリ容量がありますので、上記設定が良いと考えられます。
・リモートデスクトップ接続にWDDMグラフィックディスプレイドライバーを使用する
「有効」に設定
WDDMドライバは描画のハードウェア支援を積極的に使用するようですので、有効にすると画面描画のパフォーマンスが上がる可能性があります。
ただ、これによって異常が発生することもあるようですので、安定性重視であれば「無効」設定の方が良い場合もあるかと思います。